なりきる すてる ととのえる
今回は、初期大乗仏教典として古来から日本人に親しまれてきた『維摩経』を私達にもわかりやすく解説した書籍「なりきる すてる ととのえる」
内容的には、宗教ゴリゴリという感じではなく、著者の優しい語り口も相まって
ビジネス書のような内容であった。
最初は、もちろん仏教の話で始まり、俗世の中で修行することにより、真の悟りが開けると言った大乗仏教の立場を解説した後で、維摩経を通して筆者が伝えたい核心に入る。
私が特にためになったのは、以下の2点
・2項対立の解消
・自己の破壊と再構築
人間は2項対立、例えば「善と悪」「正と不正」などプラスとマイナスの対立で物事を
判断することが多く、その方が判断がつきやすい。
しかし、人間の思考というものは、放っておくと両極端に振れてしまう。
上の例で言えば、自分は「善」、周りは「悪」といった判断に落ちかねない。
(捕鯨反対!とか)
これを防ぐために、自己の価値観の破壊と再構築が必要だと筆者は唱える。
それには、自己を客観的に観察し(それが一番難しいのだけれども。。。)考えが2項対立に陥っている場合には、考え方を一度破壊(逆の意見を取り入れてみる、等々)
再構築を繰り返し、2項対立に陥らないようにすることが必要であると「維摩経」を通して説く。
なるほど。一般的に(私は特にかも)極端な意見に陥りがちである。
そして、そういった場合、何かしら日常が上手くいないことが多いが、
自分は「善」であるため、悪いのは周りであると判断することが多い。
しかし、実は問題は自分の極端な思考であって、それを破壊、再構築をすることによって、とらわれない心「空」を持ちましょうとのお話。
うーむ。なるほど。
自分の思考が極端に陥っていないかを、常に客観的に見ること
が必要なのだなぁと理解。
後は自分をどのようにして客観的に見ればよいかだなぁ。。